シムビコートタービュヘイラー添付文書改訂

SMART療法の適応承認。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。
発作治療薬(本剤の頓用吸入を含む)の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の維持用量の増量、あるいは全身性ステロイド剤等の他の適切な薬剤の追加を考慮すること。併用薬剤は症状の軽減に合わせて徐々に減量すること。
本剤の頓用吸入は維持療法としての使用に追加して行うこと。本剤は頓用吸入のみに使用しないこと。
1日使用量が合計8吸入を超える場合には、医療機関を受診するよう患者に注意を与えること。またこのような患者では、喘息の状態を再度評価し、患者が受けている喘息維持治療の内容についても検討を行うこと。
維持療法として1回2吸入1日2回を超える用量を投与している場合は、発作発現時に本剤を頓用吸入で使用しないこと(1回2吸入1日2回を超える用量を投与している時に本剤を発作治療薬として頓用吸入した臨床経験がない)。
成人気管支喘息患者2091例(日本人患者400例を含む)を対象とした二重盲検実薬対照比較試験において、本剤1回1吸入1日2回を維持療法として定期吸入することに加えて、発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息症状)に本剤または対照薬(テルブタリン硫酸塩の吸入剤を頓用吸入する治療法を52週間行った。本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法により、初回の重症急性増悪までの期間が有意に延長し(p=0.0007、ログランク検定)、初回の重症急性増悪のリスクは約30%低下した。また対照群と比較して重症急性増悪回数は少なく(0.214回/人・年 対 0.307回/人・年)、重症急性増悪を発現した患者の割合についても小さかった(16.2% 対 22.0%)