乳幼児服薬指導加算 例

ここ3日間乳幼児服薬指導加算をキーワードにした検索が異常に多い。
どうやらおくすり手帳への記載例を求めてネット上をうろついているかわいそうな893が多いようだ。
何を書けばいいかなんて正解はどこにもないのは明らかだし、逆にそんな点数があろうがなかろうが我々がやるべき服薬指導は変わらないはずなのに。
上記加算対象で考えるならば、いかに乳幼児の服薬コンプライアンス向上に寄与できるか、そのお手伝いをするのに薬学的知識を用いるのみであろう。
そうした事例を積み重ねることで、薬剤師の職能が一般市民に認知されるきっかけも増えるし、おくすり手帳の活用も広がっていくだろうし、素晴らしい点数が設定されたと思っている。


昨日遭遇した実際例をひとつ。
少量の水で練っても、アイスクリームやヨーグルトに混ぜても散剤を受け付けてくれない2歳の男の子。
「どうしても粉を飲んでくれないので、全く飲んでくれないのでは病院にかかっている意味がない」
と、苦渋の決断で2歳に錠剤処方を希望したお母さん。
クラリシッドとムコダイン*1の錠剤を1/4分割して投薬を希望された。
錠剤分割そのものの安定性に問題はないので希望通り分割して調剤。
服薬指導後にとりあえず目の前で服用してもらった。
いくら錠剤が小さくても2歳に錠剤服用は難しく、大量の水を使って何とかムコダイン1錠分を服用成功。
お母さんと一緒になって子供をほめちぎりながら頑張ったが、やはり水分量が多くてその場で嘔吐。
これは家庭での服用もやはり不可能だと判断して、やむなく下記アドバイス
「あんパンやカレーライス、コーンポタージュなどの味も色も濃い飲食物に散剤を練り込んで一緒に食べてしまいましょう」
で、これをおくすり手帳に記載。
熱やpH変化で多少活性が落ちる可能性はあるが、混合してすぐ服用すれば大きな影響はないであろうし、何より多少失活しても全く飲めないよりは間違いなくよいと判断した。


まぁこんなのはそうそう遭遇するわけでもない極端な例だけど。
簡単なところではCAM・DS+酸味の回避とか、CFDN+Feの回避とかそういうことでいいと思う。
でもそれを毎回書いて同加算をベタ取りしようなんてのは問題だろうとも思う。
レセコンメーカーに定型文を印字する機能を求める声が多いとかアボカドバナナかと。
同じように、「薬局のオモテとウラ」さんの一般名処方の記事に対するコメント欄の質問*2とか見てると「お前もう少し自分の頭で考えろよ」と思ってしまう薬剤師が散見される。
そう遠くない将来、その程度の薬剤師は淘汰されるときが来るんじゃないでしょうか。というか、来てほしい。

*1:今回の処方がこの2剤だっただけ。これまで出された他の散剤も全く飲んでくれないとのこと。

*2:http://blog.kumagaip.jp/article/54779777.html#more