プログラフ添付文書改訂*4

重症筋無力症を適応追加。
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
重症筋無力症では、副作用の発現を防ぐため、投与開始3カ月間は1カ月に1回、以後は定期的におよそ投与12時間後の血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。また、本剤により十分な効果が得られた場合には、その効果が維持できる用量まで減量することが望ましい。
重症筋無力症では、本剤を単独で使用した場合及びステロイド剤未治療例に使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。[本剤の単独使用の経験は少なく、ステロイド剤未治療例における使用経験はない。]
重症筋無力症では、胸腺非摘除例に使用する場合、本剤の投与開始前及び投与開始後において、定期的に胸腺腫の有無を確認すること。胸腺腫が確認された場合には、胸腺摘除等の胸腺腫の治療を適切に実施するとともに、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。(本剤の胸腺腫への影響は明らかになっていない。)
本剤を投与した重症筋無力症患者100例(カプセル100例)での主な副作用・臨床検査値異常は、鼻咽頭炎33.0%(33/100)、白血球増多13.0%(13/100)、高血糖10.0%(10/100)、下痢9.0%(9/100)、尿糖7.0%(7/100)、リンパ球減少6.0%(6/100)であった。(効能・効果追加時:2009年10月)
成人重症筋無力症患者90例にタクロリムスカプセル3mgを経口投与したときの投与8〜16時間後の平均血中濃度は4.19ng/mL(0.65ng/mL〜22.44ng/mL)であった。なお、平均血中濃度が10ng/mL以上を示した患者は2例であった。
ステロイド剤で症状の安定が得られている胸腺摘除後もしくは胸腺非摘除の重症筋無力症患者を対象とした第III相試験では、プログラフカプセルを28週間投与し、併用ステロイド剤の投与量をプラセボ群と比較した。本試験では、5mg/隔日/4週の割合でステロイド剤を減量し、症状の安定が維持できない場合には、ステロイド剤の増量を行った。その結果、タクロリムス群では、症状の安定を維持したままステロイド剤の減量を認め、投与終了前12週間及び投与終了前4週間のステロイド平均投与量(プレドニゾロン換算量)は、それぞれ4.91mg/日及び3.81mg/日であった。
ステロイド剤の投与によっても効果不十分で、胸腺非摘除の重症筋無力症患者10例に、プログラフカプセルを28週間投与した第III相試験において、8例で筋力(合計QMGスコア)の改善を認め、9例で併用ステロイド剤が減量された(中間成績)。