6月の軌跡 ★★★★☆

今年7冊目。

6月の軌跡―’98フランスW杯日本代表39人全証言 (文春文庫)

もしこの車で事故ったら、ユニフォームは一体どうなるんだ？(p.166　エキップメント・寺本一博)
ヒデからパスが来るまでが何分にも感じられた。本当は１秒もなかったはずなのに(p.237　ＦＷ・中山雅史)
本当に価値ある一試合だった。たった一人の国際…あれは何マッチだ？(p.265　ＧＫ・小島伸幸)

'98フランスワールドカップ日本代表チームに関わった選手・スタッフ39人分のインタビュー集。
選手としてはカズだけがインタビューを固辞したのと、スタッフとしては偵察を担当していた方が登場できなかったようだが、それ以外はコックさんやエキップメントの人たちのインタビューも載っていてとても興味深かった。
外野がやいのやいの言っているのとは全く違う想いが詰まっていた。
これはほんとに面白い発言があちこちにあった。
高円宮御夫妻が練習場にみえたときに着用されたジャージに関する事件とか、クロアチア戦でのゴンのシュートを巡るゴンとヒデの見解だとか、本番直前に地元の３部チームとの練習試合で相手側のＧＫに入った小島の感じたことだとか。
これまでにアトランタ五輪やフランスワールドカップの日本代表に関する本は何冊か読んだけど、この本が一番興味深かった。

この人ならこの後の日本代表についても面白い本が書けるだろうと期待して検索をかけたら、ジーコジャパンとザックジャパンについては著作が見つかったからポチってみた。
また面白い本だといいなぁという期待と、トルシエジャパンと第二次岡田ジャパンについての面白い本も欲しいなぁという残念な気持ちが湧きあがったよ。