NCPセミナー

1コマ目は「心腎連関」で、平光先生お得意のテーマ。聴講させてもらうのは3回目くらいになるけど、やっぱり話し慣れていらっしゃって分かりやすい。

  • 30〜300mg/g・Crの微量アルブミン尿の状態だとテストテープは陰性なのだが、>300mg/g・Crの顕性アルブミン尿の状態と予後が変わらない。いずれも<30mg/g・Crのグループと比べて1年生存率で2割も低下する。
  • 透析直前はうっ血性心不全の状態、透析直後は脱水状態であるため、このギャップが小さいほど患者の負担が小さいのは当たり前。なるべく水分制限をして基礎体重からの増加を抑えるのが大事。
  • 相当重度の心・腎不全でなければ基本的に水分制限はしない。大事なのは塩分制限。OS−1の使用は嘔吐・下痢時くらいであり、草むしりして汗をかいた、くらいなら麦茶で十分。
  • 他にもCardio-Renal-Anemia Syndrome(心腎貧血連関)におけるエリスロポエチンの有用性とか、心不全予後規定因子としてLVEFやBPなどよりもBNPやGFR、Hbが重要であるというお話等々。


2コマ目は名市大病院の先生による「乾癬治療」のお話。

  • 現在のところ根本治療ができないため、治療目的は無症状期間の延長、QOLの改善。癌や心筋梗塞と比べても身体的・精神的QOL低下は著しい。アトピービジネスのような乾癬ビジネスに注意。
  • 肉や脂の摂りすぎ、飲酒・喫煙、肥満、乾燥などが増悪因子であり、生活改善が大切。
  • 正常皮膚に刺激を与えると数日後に刺激部位に乾癬が出てしまうKobner現象もあるため、ステロイド・VD外用剤塗布は極力患部のみに限定し、直接擦り込むのではなく少量ずつ乗せて伸ばすような感じにする。塗布量はアトピー同様にFTU基準でOK
  • 体表面積の何%に皮疹があるかを示したBSA(Body Surface Area)と、皮疹の赤みの程度・鱗屑の程度・浸潤の程度を部位ごとに評価したPASI(Psoriqsis Area Severity Index)で重症度分類をおこなう。
  • 関節性乾癬は関節の変形が起こってしまうと元に戻らなくなるので関節変形前にしっかり治療することが大切。
  • PUVAバスは生物学的製剤と同等の効果を有するが、長期に使用すると発癌性に注意を要する。
  • シクロスポリン内服の効果は1日量が同じであれば1×でも2×でも同等。
  • 生物学的製剤効果は高いがコストも高い!