ログ・ホライズン 1 読了

今年54冊目。

ログ・ホライズン (1) 異世界のはじまり

ログ・ホライズン (1) 異世界のはじまり

ある日MMORPGの世界に取り込まれてしまったプレイヤーたちの冒険物語。

日本人はオンラインでも規律正しくプレイヤー間の暴力を好まない――などを加味して、PKはあまり流行らない行為だった。
(p.173)

なんて事情があってもPKする奴はいて、それどころかギルド単位での粘着行為まであって、妙にリアルにMMORPGが再現されてます。就職してから時間がなくなって卒業してしまったあのゲームを思い出しますよ。
食料は素材のまま食べると素材の味がするのに、調理スキルを使って料理した途端に水の味しかしなくなるなんて設定は涙。漏れが昔愛飲していたナババジュースも水の味しかしなかったのね…ゴメンよオイラの分身たち。

「ゴブ襲ってこないな〜」
「そりゃこないだろう。こっちは90レベル3人だぞ」
「私はあの恐竜の骨をかぶってるゴブが好きだ。偉そうにしているところが滑稽で可愛い」
「ああいうのが好きなのか?ちみっこは」
「可愛い。すぐ死ぬし」
(p.165)

物騒な会話だけど、こういう会話こそ彼らがゲームをゲームとして楽しむことをやめていない、生のMMO感を出しているように思う。
レベル上げやレアアイテム収集なんかをメインに、いわゆる攻略する楽しみももちろんあるんだろうけども、やっぱりMMOとしてたくさんの人間を相手にプレイするゲームであるからには、仲間同士でわいわいチャットしてるのが一番楽しかった。
こうした感覚を筆者が、主人公達が共有してくれるからこそ、この話により共感できたのだろう。

「戦闘を繰り返すこと」と「冒険」がまったく違う行為だということを、シロエは<放蕩者の茶会>ではじめて学んだ。
(p.42)

今後の茶会メンバーの楽しいチャットに期待して、続刊を待つ。*1

*1:正確には続刊の値下がりを待つw