ちくやくてんこもり

nohmin2011-08-26

本日地区薬のお勉強会。
テーマはトラムセット&ノルスパンテープ&健康介護まちかど相談薬局の3点。
一回の勉強会出席で認定やくざポイント2点とノスルパンテープ取扱施設登録と健康介護まちかど相談薬局登録がトリプルでゲットできる、当地区薬のお勉強会では異例の豪華企画。*1

1:トラムセット
非がん性の慢性疼痛(=3ヶ月以上持続する疼痛)全般に対する適応が通っており、今後処方量が増えてくること間違いなし*2ヤンセンが自信を持ってお送りする逸品。
アセトアミノフェンの即効性とトラマドールの持続性を兼ね備えた配合剤。
急性疼痛は主に局所炎症反応によるためNSAIDが有効だが、慢性化してくると中枢神経系の機能変化を伴ってくることがあり、そうした疼痛にはNSAIDは反応しにくくなる。
しかし本剤はアセトアミノフェンによって疼痛閾値を上昇させ、トラマドールがμオピオイド受容体作動作用とSNRI作用を発現して疼痛抑制作用を示す。
オピオイドが入っているので疼痛抑制ラダーでは第2段階*3に該当。
麻薬どころか、まる向でもなんでもない、ただの劇薬指定。
SEとしてはオピオイド由来の悪心、傾眠、便秘がメインだが、これら、特に悪心と傾眠の発現は服用開始〜2日間に集中し、それ以降は耐性獲得により急速に消失する。ちなみに耐性獲得するのはSEに対してのみで、きちんと主作用は持続する。
またアセトアミノフェンの肝代謝増強による肝障害を誘発するためアルコールが併用注意になっているが、この問題を起こす飲酒量の目安は缶ビール350mL×8本を毎日飲む程度らしい。アル中やんけ(´Д`;)


2:ノルスパンテープ
「変形性関節症及び腰痛による慢性疼痛抑制」が適応。
こちらも弱オピオイドで疼痛抑制ラダー第2段階。ちなみにこちらは第2種まる向。*4
なんと驚きの1週間連続貼付製剤。いつ貼ったか忘れそうだ。そしてかぶれないんか(´Д`;)?
一番の特徴は取扱に施設登録が必要*5だということ。久光のMRさんの講義を受け、関係資材を受け取り、施設登録申請書に(原則として)管理薬剤師が署名捺印して久光に提出しないといけない。管薬が異動したらその都度再申請が必要。
サンプル品(もちろんプラセボ)くれたが、ひどいデザイン(=写真)だ。外面くらい製剤と一緒にしようよ。


3:健康介護まちかど相談薬局
本命の機能は国保連から委託された「介護保険利用者からの苦情受付窓口」なんだって。
介護保険サービスの利用をお手伝いする薬局のことだと思っていたけども、どうも少し意味合いが違ったようだ。
とにかくミソは何か相談を受けたら適切な窓口を紹介すること。
紹介先がはっきりしなかったら地域包括支援センターへ。
話の後半は多職種連携について。まだまだ他職種に薬剤師の職能が認知されていないので、積極的に売り込んで連携していきましょうというお話。
特にケアマネさんからの認知度の低さは想像を絶するらしい。

*1:おかげで出席者数が普段の倍くらいいた(゚д゚)

*2:韓国では既に鎮痛剤のトップシェアを占めているらしい。

*3:=本剤無効例では疼痛ラダー第3段階である強オピオイドに切り替える。
  本剤4〜8錠/日≒モルヒネ30〜60mg/日≒デュロテップMTパッチ2.1〜4.2mg

*4:10枚以上紛失したら知事に届け出が必要。

*5:処方医はe-learning受講が必要。無資格医の処方を誤って調剤した場合の責任は、なんと製造販売元の久光製薬(´Д`;) 「情報提供が不十分」ということになるらしい。