日経DI 8月号 読了

薬関係35冊目。
特集:DPP4。日経DIよ、お前もか。
DIクイズの2問目、PL&カロナールの併用について。解説には薬剤師としての能力を感じないんだが、訴訟リスク回避のためにはこういう対応もやむを得ないのだろうか。
そして先月から注目のりかちゃん2。きっちり解決編やりましたね。まぁ大体お約束通りの展開というか、某誌に連載されていたミキティなんかは、この展開の後出世街道まっしぐらでしたね。星空さんはどうなることやら。
副作用症状のメカニズムは「汗」 この連載はいつもながらタメになる。多汗の訴えは案外多いんだけど、これまでメカニズムに頭が回っていなかったことがよく分かった。今後の対応が多少改善されそう。
オーディットは「他院から紹介されてきた喘息患者」 処方の変遷が劇的なので仕方ない部分もあるが、処方変更についての考察が珍しく甘い。「メドロールの処方がガイドラインに合ってない。治療方針を要確認」なんてのはさすが机上の人だなと思わせる発言で、これは恐らく前医が非専門のおじいちゃん先生だったせいだと思われる。喘息→テオフィリン+ステロイド内服という時代遅れの処方に、少し頑張って新しい吸入薬をかませただけでしょう。専門医である現在の主治医が転院早々からステロイドを漸減したことから、この先生の治療方針でステロイド内服を使ったわけでないことは明らか。それどころか転院してわずか3ヶ月で発作をコントロールしつつ極めてシンプルな、現代的処方になってきているのはさすが専門医。今後はテオフィリンCut→シングレアCutと進んでシムビコート単剤でコントロールしていく方向へもっていきたいのではないでしょうか。ちなみに7/12のCAMとGRNX併用は感染症重篤だとかそういう話ではなく、CAMは去痰の一環として使っているだけだと思われる。事実として7/20にはCAMからメチスタ*1に変更になっている。
これまでもずっとオーディットの記事に違和感を覚えていたんだけど、今月の記事を読んでなんとなくその正体がわかった気がする。ズバリ早川先生の現場感覚の不足に起因しているのではないだろうか。大変有名な方ですし、さすがによく勉強されているんですが、どうもその知識の振るい方が厚生局とかの半お役人の方と似た空気を、すなわち机上の理論重視の感じを受けるんだよね。上でオイラが書いたような現場の人しか分からないような意見は実際のオーディットでは出ないんだろうか。その辺をCutして記事にしているんなら編集部の責任だが、やっぱりそういう現場感覚のある記事こそ役に立つんだろうし、読みたいなぁ。

*1:ここの規格が200になっているが、恐らく500の誤植だろう。