ガバペン錠添付文書改訂

3歳以上の小児への用量について追記。

通常、3〜12歳の幼児及び小児にはガバペンチンとして初日1日量10mg/kg、2日目1日量20mg/kgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は維持量として、3〜4歳の幼児には1日量40mg/kg、5〜12歳の幼児及び小児には1日量25〜35mg/kgを3回に分割経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は50mg/kgまでとする。なお、いずれの時期における投与量についても、成人及び13歳以上の小児での投与量を超えないこととする。
承認時までに国内第III相試験において89例に本剤が投与された。うち65例は国内第III相試験から長期投与試験に移行した継続投与例であり、評価例数はのべ154例であった。3〜15歳の幼児及び小児患者のべ154例中60例(39.0%)に副作用が、154例中3例(1.9%)に臨床検査値異常変動が認められた。
主な副作用は、傾眠(27.3%)、痙攣(2.6%)、食欲亢進(1.9%)、流涎過多(1.9%)、発疹(1.9%)等であった。副作用のほとんどは、軽度又は中等度であった。臨床検査値異常変動は、Al-P増加(1.3%)、白血球数増加(0.6%)であった。

腎機能障害のある小児患者及び透析を受けている小児患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない[使用経験はない]。
1ヵ月〜12歳の健康な小児に、ガバペンチン約10mg/kgを単回経口投与した時、5歳未満の小児におけるAUC0-∞は5歳以上と比較して約30%低かった。(外国試験)
第III相試験(小児)→既存の抗てんかん薬治療では十分に抑制できない部分発作を有する3〜15歳の小児てんかん患者89例を対象として、非盲検試験を実施した。ガバペンチンを12週間経口投与した場合、主要評価項目であるResponse Ratioの平均値は主解析対象集団である86例において−0.158(Response Ratioから算出したてんかん発作頻度減少率:−27.3%)であり、発作頻度の減少が示された。
長期投与試験(小児)→第III相試験から移行した小児てんかん患者65例を対象として、長期投与試験(52週)を実施した。長期投与試験に移行後のResponse Ratioの平均値及びResponse Ratioから算出したてんかん発作頻度減少率は下表のように推移した。


重大な副作用として薬剤性過敏症症候群を追記。頻度不明。
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害等の臓器障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
その他の副作用として、感情不安定、激越、攻撃性、チック、食欲亢進、高血圧、動悸、転倒・転落、鼻咽頭炎を追記。いずれも3%未満。


その他の注意として下記一文を追記。
幼若ラットの7週間投与試験において、雄の2000mg/kg/日で前立腺、雌の1000mg/kg/日以上で副腎の発育抑制が認められた。


薬物動態として下記追記。
7.腎機能障害患者
3)腎機能障害のある患者に投与した時の本薬の血漿中濃度シミュレーション結果
被験者838例(うち日本人146例)から構築した母集団薬物動態モデルより算出した腎機能障害患者(CLCR:5〜59mL/min)に[用法・用量に関連する使用上の注意]に従って投与した時の推定血漿中ガバペンチン濃度推移(腎機能のみを変動要因としたシミュレーション)は、CLCRが5mL/minの被験者ではCLCR60〜120mL/minの被験者に投与した時よりも高い傾向が認められたが、それ以外の腎機能障害の患者ではCLCRが60〜120mL/minの被験者に投与した時とほぼ一致した。
8.血液透析患者
2)週3回の血液透析を受けている日本人てんかん患者1例(CLCR=7.49mL/min)にガバペンチンを1回300mg1日2回投与したときの血漿中ガバペンチン濃度の実測値は、母集団薬物動態モデルより算出した予測値と比較して高かった
3)血液透析を受けている患者に投与した時の本薬の血漿中濃度シミュレーション結果
被験者838例(うち日本人146例)から構築した母集団薬物動態モデル及び透析クリアランス(142mL/min)より算出した透析患者に[用法・用量に関連する使用上の注意]に従って投与した時の推定血漿中ガバペンチン濃度推移(腎機能のみを変動要因としたシミュレーション)は、CLCRが60〜120mL/minの被験者に投与した時とほぼ一致した。