プログラフお勉強会

重症筋無力症…抗アセチルコリン受容体抗体が産生されることによりアセチルコリンの神経終末における情報伝達が阻害されることが原因と考えられている。
プログラフはヘルパーT細胞からのサイトカイン産生を抑制することでヘルパーB細胞を介した抗アセチルコリン受容体抗体産生を抑制し、効果を発揮していると考えられている。
プログラフは重症筋無力症患者に対する第Ⅲ相試験においてQMGスコアやMG−ADLスコアにおいて優位に改善とはいかなかったものの、ステロイド投与量の減量につなげることができた。このことからプログラフとは「重症筋無力症におけるステロイド投与量を減らす薬である」と言える。したがって重症筋無力症患者に対してプログラフを投与する場合、少量から漸増するのではなく、維持量の3mg/dayで開始するケースが多い。
用法が1日1回夕食後となっているのは、夜服用して翌朝血中濃度を測定するのが副作用管理に最もよいため。
CYP3A4を阻害する為、トラクリア等とは併用禁忌。
血清カリウム値上昇のためカリウム保持性利尿剤とは併用禁忌。
免疫抑制作用による発症の可能性が増加する為生ワクチンとは併用禁忌。
免疫抑制作用により抗体産生が抑制する為、不活化ワクチンの作用は減弱する。どうしても生ワクチン接種を希望する場合はこの点を十分説明すること。重症筋無力症の急性憎悪の可能性があるため、不活化ワクチン接種のための休薬は行わない。
副作用の3本柱は腎機能障害、消化器障害、糖毒性。他に間質性肺炎、循環器障害、血圧上昇など。