ゼローダ錠300mg添付文書改訂*8

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌を適応追加。
このときは他の抗悪性腫瘍剤と併用して、以下の用法で服用する。

体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用が発現した場合には、休薬・減量を行うこと。休薬・減量の規定はB法の規定を参考にすること。
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌において、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は、【臨床成績】の項の内容を熟知した上で、患者の状態やがん化学療法歴に応じて選択すること。
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対して、本剤を含むがん化学療法を実施する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤の添付文書を熟読すること。

他の抗悪性腫瘍剤との併用投与時における副作用発現状況の概要

承認時迄の調査64例*1において、副作用は64例(100%)に認められた。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパシー60例(93.8%)、食欲不振57例(89.1%)、疲労52例(81.3%)、悪心49例(76.6%)、手足症候群49例(76.6%)、色素沈着障害38例(59.4%)、下痢36例(56.3%)、口内炎35例(54.7%)、好中球数減少33例(51.6%)等であった。(効能・効果、用法・用量追加時)
1. 精神神経系
頻度不明
不眠症、錯感覚、異常感覚、嗜眠、感覚鈍麻
10%以上
神経毒性(末梢性感覚ニューロパシー、末梢性運動ニューロパシー等)(93.8%)、味覚異常(39.1%)、神経痛(34.4%)、頭痛
10%未満
浮動性めまい


2.消化器
頻度不明
消化不良
10%以上
食欲不振(89.1%)、悪心(76.6%)、嘔吐(42.2%)、便秘、腹痛、歯肉炎
10%未満
口唇炎、胃不快感、下腹部痛、歯周病、歯痛、歯肉出血、上腹部痛、齲歯


3.呼吸器
頻度不明
呼吸困難
10%以上
鼻出血(37.5%)、しゃっくり
10%未満
鼻漏、発声障害、鼻粘膜障害


4.血液
10%以上
好中球数減少(51.6%)、血小板数減少、白血球数減少
10%未満
ヘモグロビン減少


5.皮膚
頻度不明)
皮膚乾燥
10%以上
色素沈着障害(59.4%)、発疹
10%未満
爪の障害、脱毛症、爪囲炎、蕁麻疹


6.肝臓・腎臓
10%以上
蛋白尿、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、血中ビリルビン増加
10%未満
血尿、膀胱炎


7.その他
頻度不明
四肢痛、無力症、温度変化不耐症、低カリウム血症、顎痛
10%以上
疲労(81.3%)、注射部位反応(疼痛等)、高血圧、発熱、上気道感染(鼻咽頭炎等)、薬物過敏症
10%未満
背部痛、倦怠感、体重減少、胸部不快感、潮紅、殿部痛

C法における臨床成績

(日本人における成績)
進行・転移性結腸・直腸癌を対象とした第1/2相臨床試験
進行・転移性結腸・直腸癌患者に対するXELOX療法(本剤とオキサリプラチン併用)の奏効率は66.7%(4/6)であり、XELOX+BV療法(XELOX療法とベバシズマブ併用)の奏効率は71.9%(41/57)であった。また、XELOX+BV療法の無増悪生存期間(PFS)の中央値は336.0日(95%信頼区間:293-380日)であった。
(外国人における成績)
1) 転移性結腸・直腸癌を対象とした第3相臨床試験
転移性結腸・直腸癌患者2,035例を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナート療法(FOLFOX4療法)、FOLFOX4療法+プラセボ(P)、FOLFOX4+ベバシズマブ(BV)療法、XELOX療法、XELOX療法+P、XELOX+BV療法を行う第3相臨床試験を実施した。無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目、全生存期間(OS)を副次的評価項目とした。その結果、FOLFOX4療法に対するXELOX療法の非劣性が主要解析及び副次的解析で認められた。
また、化学療法(FOLFOX4+P/XELOX+P)に対する化学療法+BV療法の優越性が主要解析で認められ、XELOX療法に対するXELOX+BV療法の優越性が副次的解析で認められた。
2) イリノテカン・フルオロウラシル・ホリナート療法の治療歴がある転移性結腸・直腸癌を対象とした第3相臨床試験
イリノテカン・フルオロウラシル・ホリナート療法の治療歴がある転移性結腸・直腸癌患者627例を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナート療法(FOLFOX4療法)とXELOX療法を比較する第3相臨床試験を実施した。無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目、全生存期間(OS)を副次的評価項目とした。その結果、FOLFOX4療法に対するXELOX療法の非劣性が認められた。

*1:XELOX療法(本剤とオキサリプラチン併用)6例とXELOX+BV療法(XELOX療法とベバシズマブ併用)58例を集計した。