プログラフカプセル添付文書改訂*2
ループス腎炎への適応が追加(ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)
ただし下記の警告つき。
ループス腎炎における本剤の投与は、ループス腎炎の治療に十分精通している医師のもとで行うこと。
また通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。*1
ループス腎炎に対する使用上の注意は下記の通り。
ループス腎炎では、副作用の発現を防ぐため、投与開始3カ月間は1カ月に1回、以後は定期的におよそ投与 12時間後の血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。また、本剤を2カ月以上継続投与しても、尿蛋白などの腎炎臨床所見及び免疫学的所見で効果があらわれない場合には、投与を中止するか、他の治療法に変更することが望ましい。一方、本剤により十分な効果が得られた場合には、その効果が維持できる用量まで減量することが望ましい。
同、重要な基本的注意。
ループス腎炎患者では病態の進行による腎障害の悪化もみられるので特に注意すること。*2
ループス腎炎患者では、その基礎疾患である全身性エリテマトーデスにおいて冠動脈疾患の危険因子とされている高脂血症、高血圧症等の疾患を合併する場合が多いことから、それらの疾患の適切な治療を進めながら本剤を投与すること。
同、主な副作用
本剤を投与したループス腎炎患者65例(カプセル65例)での主な副作用・臨床検査値異常は、尿中β2ミクログロブリン増加27.3%(12/44)、尿中NAG増加22.2%(14/63)、鼻咽頭炎15.4%(10/65)、高尿酸血症14.1% (9/64)、白血球増多14.1%(9/64)、クレアチニン上昇12.5%(8/64)、下痢12.3%(8/65)、血圧上昇10.8% (7/65)、高血糖10.9%(7/64)であった。
(効能追加時:2007年1月)
同、臨床成績
ステロイド剤だけでは治療困難で持続性腎炎臨床所見及び免疫学的活動性を有するループス腎炎患者に、本剤を28週間投与した第III相試験における最終時の疾患活動性合計スコアの変化率は−32.9%であり、持続性腎炎所見、免疫学的活動性の指標である1日尿蛋白量、補体(C3)の実測値の変化率は各々−60.8%、16.4%であった。なお、クレアチニンクリアランス(Ccr)の変化率は−22.0%であった。
同、薬効薬理
本剤はマウス腎炎モデルにおいて、抗二重鎖DNA抗体産生及び血中の補体成分の低下を抑制し、糸球体腎炎病変の悪化及び尿蛋白の上昇を抑制する。