六花の勇者 ★★★★☆

今年32冊目。

六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

「……あり得るのか?勇者が七人選ばれるなんて」
アドレットが呟くと、モーラが答えた。
「……少年よ。かつて一輪の聖者は、自らの力を六つに分けて後世に残した。勇者はそれらを一つずつ受け継ぐのじゃ。ゆえに勇者は六人と決まっている」
「勇者の数は六人。それ以上ということも、それ以下ということも、絶対にありえん」
「けど、現に七人いるのよ」
そう言ったのはフレミーだった。
「そう、七人おる。どういうことじゃ」
モーラの問いに、誰も答えない。
「にゃはははは」
しばらくすると、突然、神殿の中に笑い声が響いた。笑っているのは最後に神殿に現れた奇妙な男、ハンスだった。
「何がおかしいんだ?」
「にゃあ、難しく考えるようなことじゃねえ。つまり、このなかの誰か一人が偽物って話だべ」
ハンスがあっさりと言う。
「だから、なぜ一人偽物がいるかって話だろ」
「だからよ、この中の誰か一人が敵なんだべ。にゃあ?」
(p.116-p.117)

以上、あらすじ終わり。
話の筋としてはシンプルだけど、こういう設定はあんまりなかったよなー。
話が本格的に動き出してからは文章に疾走感もあり、迫ってくる危機感もしっかりあって、トリックの推理には設定されている魔法の力に関する理解の上に現実の科学の知識も必要になるという。
これはなかなかよくできてて面白かったです。
オイラが推理下手なせいもあるだろうけど最後の最後まで偽物分からなかったし。
加えてラストのヒキがエグイ。
魔神軍どんだけだよ。