悪の教典
今年95/99冊目。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 文庫
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晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
んー、ハスミン基本的には共感性皆無の天才肌殺人者として描かれてるんだけど、天才肌設定の割には最後の大量殺戮に突き進む原因になった犯行が甘いんだよなぁ。
ちょっとした障害でも殺して取り除くのが一番簡単だと判断したらそうしてしまうという点については下巻p.53で「問題があれば、解決しなければならない。俺は、君たちと比べると、その際の選択肢の幅が、ずっと広いんだよ」とハスミン自身が言っているので良いとしても、それを実行する際の舞台設定に不確定要素が多すぎる。
そこから後は行き当たりばったりな所も多いしね。
ただ、ゲスミンを英語教師にしたのは良かった。
映画版のCMでもやってたけど、口笛吹きながら淡々と生徒を殺害して、立派に反抗できた生徒に「Excelle〜nt」なんて言ってるシーンは怖いね。
あれが歴史とか数学の教師って設定だったら無理だもんな。
「Oh, You were to enter ...Todai? Sorry, you are going to die.」(下巻p.367)
の駄洒落は上手かったなー。
貴志先生これが書きたくて英語教師にしたんじゃないだろうなと思ってしまったくらい。
冒頭では文句つけたけど、一気に読ませちゃうのはさすが貴志先生ですよ。
★★★☆☆