戦う都市

今年37、39冊目。

戦う都市〈上〉 (創元SF文庫―歌う船シリーズ)

戦う都市〈上〉 (創元SF文庫―歌う船シリーズ)

戦う都市〈下〉 (創元SF文庫―歌う船シリーズ)

戦う都市〈下〉 (創元SF文庫―歌う船シリーズ)

「ベラジル艦長閣下からお声をかけられた時は、『神なるご主人様』と答えろ」
糞食って死ね、神なるご主人様――シャンナは胸の中でつぶやいた。
(下p.125)

歌う船シリーズ第3段。今度は船ではなく都市「SSS-900」丸ごとを管理するブレーン「シメオン」と、SSS-900に赴任したばかりのブローン「シャンナ」のお話。
上巻では宇宙海賊から追われたオンボロ船がSSS-900-Cに突っ込んでくるのを回避してシメオン、シャンナにオンボロ船で逃げてきたグループの長アモスが加わって三角関係が成立するところまで。
下巻は非武装のステーションであるSSS-900-Cが暗黒戦士Gよりもタチの悪そうな神なるご主人様に糞食わせるお話。
元ネタの歌う船の設定や話の内容を上手に生かした長編になっている。
ブレーンとブローンがお互い影響しあって変わっていくのも本編と同様でお上手。
本作の場合はさらに、脇を固めるアモっさんと神なるご主人様もいい感じに変わっていくので、最後までダレずに読めます。
ジョナサンとセーリグのタイマンシーンと、ジョートがGを切り刻むシーンは設定に若干無理が生じているのでイマイチ。