空飛ぶタイヤ

今年83冊目。

空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)

空飛ぶタイヤ (Jノベル・コレクション)

トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも……。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族など、事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともに事故の真相に迫る。オヤジの戦いに思わず胸が熱くなる! 直木賞候補となり、選考委員の高い評価を得た、イッキ読みの圧倒的エンターテインメント巨編!

話の流れとしては「下町ロケット」と大体同じ、池井戸節。
最後は落ち着くべきところに落ち着く王道ストーリーで安心して読めてスッキリ終わります。

「たとえ私が嘘を許しても、世間は許さない。あんたたちは世の中に対して取り返しようのない嘘をついたんだ。長岡さんよ、あんた舐めてるだろう。自分たちはホープ自動車だから、なんとかなるって。エリートだっておごり高ぶってな。だけどはっきりいっておくが、世間の人間にとってホープだろうが関係ない。いくつかある自動車会社の一つなんだ。ホープだから、許してやろうなんて考えてる消費者はほとんどいない。許されると思ってるのはあんたたちだけなんだよ」(p.520)

しかし正義というか真実に忠実に動いた人間だけが勝つわけではない辺りもやっぱり池井戸さんらしく、自己のために動きまくっている人の中にもちゃっかり美味しい結果を持っていく人もいたりします。
ねえ?最後に委員会のメンバーに選出されたあなたのことですよ?うまく立ち回りましたよね?