オブリーン錠120mg製造販売承認

Tケダさんが年末頃に発売を予定している肥満症治療薬「オブリーン錠120mg」が無事に製造販売承認までたどりついたそうです。
日商品案内パンフレットをMRさんからもらったんだけど、その内容を見て腰抜かしたよ。
投与対象は2型糖尿病と脂質異常症を併発しているBMI25以上の患者。
はっきり言ってゴロゴロいますね。いわゆるメタボな人はかなりの割合で該当するんじゃないですか?
1日3回毎食直後に服用して、食事からの脂質吸収を抑制し、内臓脂肪を減少させるとともに体重や生活習慣病関連パラメータを改善しますとのこと。
ではそのパラメータの改善とは?という話なんですが、パンフレットには52週、すなわち1年間継続投与した結果が示されています。

  • BW→プラセボ(n=65)-1.02±3.00kgVSオブリーン(n=141)-2.31±3.38kg

投与前値:プラセボ=85.43±14.61kg、オブリーン=84.56±16.48kg

投与前値:プラセボ=8.31±1.55%、オブリーン=8.33±1.53%

  • LDL-C→プラセボ(n=65)3.40±25.49mg/dLVSオブリーン(n=140)-6.51±19.67mg/dL

投与前値:プラセボ=131.0±36.1mg/dL、オブリーン=135.7±31.7mg/dL

  • SBP→プラセボ(n=65)2.3±13.6mmHgVSオブリーン=-3.7±13.9mmHg

投与前値:プラセボ=130.9±13.8mmHg、オブリーン=133.1±13.7mmHg  など。
(いずれも投与群間差の両側95%信頼区間を基に有意差ありと判断)

有意差はついているといっても、1年間も服用してBW−1.3kg、A1c−0.4%、LDL−9.9mg/dL、SBP−6.0mmHgって、臨床意義あるのかい?
黒烏龍茶みたいな栄養食品だって、医師の管理下で1年間毎日飲み続けたらもっといい数字出そうじゃない?
新規薬効医薬品だからまだ薬価が分からないらしいけれども、3×の薬だから1年間でおよそ1000錠の服用。薬価が仮に1錠100円だったら、1年で10万円。3割負担だとしたら7万円が税金から拠出される。
消費税が5%から8%に引き上げられて、こんな薬に使われるのって納得いかないよ。
どうせだったら処方箋薬じゃなくて健康食品として発売してほしかったと心の底から思う。
病院に行くのは面倒だけど、体重減って血圧も血糖もコレステロールも下がると言われたら飲みたがる人はたくさんいると思う。
そしたらTケダとしても恐らく利益は大きくなるし、Win−Winになったと思うんだけどな。とっても残念。