日経DI8月号

薬関係26冊目。
特集は一包化調剤。新人さんとかにはいい特集だな。
調剤技術編で「ミスの認識と予製がカギ」って題されてるけど、これはほんとにしっかり考えた方がいい。
あんまりたくさん一包化こないところは、というか、一包化きすぎて業務が回らないようなところ以外は一包化の予製なんか絶対手を出さない方がいい。
処方変更があった際にスルーする原因になるし、変更をきちんと認識してもバラして再分包する際に過誤する原因になるし、他にバラす人がいない薬剤はロスになるし、裸錠での保管期間が長くなって安定性が問題になりやすくなるしでリスクが大きすぎる。
記事中にあるように分包はしないで薬を取りそろえておくだけにしておくっていうのも一つの手だが、これをやると日次棚卸がやりにくくなるので他の患者での早期調剤過誤発見を行いにくくなる。
やはり基本は処方箋(あるいはFAX)が来てから「処方箋に基づいて調剤を行う」という大原則を守るべきであって、原則を外れた行為というのは必ずどこかでひずみが発生するということを認識するべき。
それを認識した上で患者の待ち時間と天秤にかけて、それでも予製をするべきだという判断を行うならいいのだけど、リスクを認識しない安易な予製は事故の元でしかないですよ。
うちの会社はスピードより安全性を重視しなさいという通達が出ているので、その点では自分の方針と一致していて安心。
もっとも、安全性重視って行為は患者側からは見えないので理解してもらいにくいのが難点なんだけどね(´Д`;)


PEの副作用症状のメカニズム、今回は皮膚の色と血流量の関係について。
貧血や過緊張、チアノーゼや冷えなんかで青白くなってしまうことや、逆に興奮状態やアナフィラキシ、更年期障害やNO薬服用後にほてりが出ることは全て患部での血流がどうなっているかを考えれば分かると。
逆に皮膚の色を見て患部の血流を考えれば疾患やSEを判断する助けになると。
同様に考えれば黄疸や目の下のクマ、ミカン食い過ぎた後の柑皮症なんかも分かっちゃう。
これは言われてみれば当たり前なんだけど、目からウロコだった。


同じくPEの検査値のミカタ。
「LDL−CとHDL−CはLDLやHDLに含まれるChoの濃度を指しており、物質としてのLDL−CとHDL−Cで構造が異なるわけではない」
(゚д゚)!!
LDL−CっていうChoとHDL−CっていうChoがあると勘違いしてました、スンマセン(´Д`;)
ここを正しく理解するとLDLがChoを輸送し、HDLが余剰Choを取り込むという体内での主な働きが理解しやすくなった。


Case Studyはあじさいネット。
長崎県のカルテ共有システムだけど、何度読んでもうらやましい。
病院のカルテを見られたらどれだけ服薬指導が変わることか。
患者も余計なことを待合室で大声で聞かれなくても済むし、的外れな指導されなくて済むし、情報漏洩対策さえきちんとしていればいいことづくめなシステムだと思う。
滋賀県でも類似のシステムが試行されつつあるみたいだけど、もっと全国に広まって欲しいなぁ。