エクア錠50mg添付文書改訂

腎機能障害患者への投与について下記追記。

軽度から重度の腎機能障害患者(48名)に本剤50mgを1日1回14日間経口投与したとき、ビルダグリプチンのAUC0-24hは健康被験者に比べて軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者でそれぞれ1.40倍、1.71倍、2.00倍高く、Cmaxはそれぞれ1.37倍、1.32倍、1.36倍高かった。M20.7のAUC0-24hは、軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者で健康被験者よりそれぞれ1.66倍、3.20倍、7.30倍高く、Cmaxはそれぞれ1.57倍、2.56倍、5.55倍高かった。グルクロン酸抱合体のAUC0-24hは、軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者で健康被験者よりそれぞれ1.35倍、2.69倍、7.25倍高く、Cmaxはそれぞれ1.13倍、1.60倍、3.00倍高かった。

これに基づき、用法用量に関連する使用上の注意に「中等度以上の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、50mgを1日1回朝に投与するなど、慎重に投与すること。」と追記。


その他の副作用として胃食道逆流性疾患、体重増加、悪寒を追記。いずれも1%未満。


薬物間相互作用として下記追記。

日本人2型糖尿病患者を対象に本剤50mgを1日2回及びボグリボース0.2mgを1日3回3日間併用投与したとき、投与3日目のビルダグリプチンのCmax及びAUC0-12hは単独投与時と比べそれぞれ34%及び23%低下したが、DPP-4阻害への影響は認められなかったことから、ボグリボースとの併用時に本剤の用量調節は必要ないと考えられた。

長期投与試験として下記追記。

食事療法、運動療法に加えメトホルミン、チアゾリジン剤、α-グルコシダーゼ阻害剤又は速効型インスリン分泌促進剤(グリニド)単独で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(58例、62例、62例、63例)を対象に、各薬剤に加え本剤50mg1日2回を52週間経口投与した。主要評価項目は長期併用投与時の安全性を確認することとした。いずれも投与開始初期から血糖コントロールを改善し、52週にわたって安定した血糖コントロールが得られた。最終評価時のHbA1cJDS)値の変化量はメトホルミンとの併用では−0.75%、チアゾリジン剤との併用では−0.92%、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用では−0.94%、グリニドとの併用では−0.64%であった。また、低血糖症の発現率はメトホルミンとの併用では1.7%(58例中1例)であった。チアゾリジン剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、グリニドとの併用では低血糖症は認められなかった。