ゲート 外伝 南海漂流編

今年4冊目。

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝南海漂流編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝南海漂流編

「貴方、あたしが倒れた時に悪戯したでしょ?」
この発言にロゥリィとヤオがぴくりと痙攣した。
「悪戯なんてしてないしてない!」
伊丹は両手をぶんぶん振って我が身の潔白を訴える。だがニーナは追及の手を緩めることはなかった。
「ごまかさないで。あたしにあんなことするのは、勝ったらどんなことでも言うことをきくなんていかがわしい約束をさせる貴方くらいしか考えられないのよっ!」
その時、ロゥリィがハルバートに添えた手は軽く震えてすらいた。ヤオは、「いつでもよいと言っている此の身を差し置いて助祭殿となんて……」と呟いている。
ペルシアとフォルテの「悪戯ってどんなことニャ?」「きっとふしだらなことなのでは?」という囁きは、ロゥリィの怒りの臨界点を越えさせようとした。
(p.518)

「門」封鎖後の特地で仲良く遭難してしまった伊丹とピニャを巡る外伝。
伊丹&ピニャの遭難部分に、ロゥリィ、レレイ、テュカのサブエピソードを加えて、ラストでまとめるという分かりやすい構成。
やっぱりゲートは伊丹が絡んでる部分が一番面白い。
そしてその伊丹を巡る女の戦いにピニャまで参戦し、ラストでは新たな戦いの火種がちょっぴり描かれて。
ここで終わってもきれいにしまるし、続きも書ける状態ですな。
続きも読みたいけど下手に手をつけて駄作に落ちてほしくもない微妙なところ。