長安異神伝3 将神の火焔陣<天長篇>

今年2冊目。

魏徴は黜陟大使・李靖から声をかけられ、秘書監・李淳風を訪れた。李淳風は星辰の図を取り出すと「命を革むる。天が、他者をもって李氏を易えようとしております」と告げた――。
ある晩、李靖を尾行していた一段と戦うことになった楊二郎は、彼らが人間以上の能力を持つことを知った。一団の首領は焦子璿といい、世情が混乱期に入るのに乗じて、神農氏の血を引く氏族として炎帝の復活を企んでいたのだった。

これまでの2巻で溜めに溜めてきて、ここで大きな話キター!というところ。
神の世界でのゴタゴタが表に出てきて楊戩様の周辺もこれまでにはなかった緊迫感に包まれているのでこれまでよりも読み口がスリリングでアクション小説としてはより面白くなった。
今回は2巻構成なので次の4巻を楽しみに待つことにする。
ちなみに神農様は、我々薬学関係者にとっては炎の神様というよりも、中国薬学の礎を築いた偉人というイメージの方が強い。
ありとあらゆる薬草を自分で食べて、その効能や毒性を調べて上薬・中薬・下薬に分類したというのだから凄まじい。
4巻では彼のそうした側面も…出てこないわなぁ。