覆面作家の夢の家

今年124冊目。

覆面作家の夢の家 (角川文庫)

覆面作家の夢の家 (角川文庫)

「平気ですよ。それに、こんな傷だと、引っ掻かれたか、と思われる」
千秋さんは、まじまじと傷の流れ具合を見て、
「本当だ。でも、どうしてお前が、引っ掻かれるんだ?」
千秋さんの白いシャツが汚れないように、右手は後ろに回した。
左手が、入れ違いに細い胴を抱いた。
「こうしたから――」
(p.128)

ぐあっ、まさか覆面先生にのろけられるとは思わなかった!
2話目の「覆面作家、目白を呼ぶ」も面白かったけど、やっぱり最終巻は最終話の「覆面作家の夢の家」だね。
ドールハウスを使って送りつけられてきた謎。人の死なない殺人事件。
その謎を見事解き明かした際に明かされる覆面先生の夢の家。
「ほしい札は、ただ一枚――」