ステップファザー・ステップ

今年96冊目。

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)

「僕らのこと」
「嫌いになった?」
女に「あたしのこと嫌いになった?」と問われたら、嘘だろうとごまかしだろうと、じらして楽しむためだろうと、「うん」と答えることはできる。
「最初っから嫌いだよ」「好きになったことなんてないよ」と言うことだってできる。
だがしかし、同じことを子供に問われたら、腕をもがれても「うん」とは言えないものだ。それができるのは、身体の中に、血液の代わりに絶対零度液体窒素が流れている人間である。
(p.214)

ドラマ原作。ショートショート×7話
一応ミステリーなんだけど、宮部さん自身がおっしゃっているように、謎解きそのものは話の終盤でぱぱっと語られるライトなもので、それよりはそこにまつわる会話を楽しむ形式となっております。
ドラマよりも礼子先生がいい女。そしてお父さんはドラマよりも双子にデレデレ。柳瀬の親父も画聖も、話の進行までひっくるめて、総じてドラマより甘めの設定となっております。そしてオイラとしてはこっちの方が好み。