オーデュポンの祈り

nohmin2012-07-16

今年79冊目。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

とりあえず、彼女は疲れているようなので、僕のアパートに行こうという話になった。
「あなたのアパート?」
「いや、僕が勝手に借りているだけだ」
「勝手に、って犯罪じゃないの?」
「ううん」と口ごもってしまう。「いいことになっているんだって」としか言えない。
(p.444)

話の最初から最後までとにかくシュール。
忘れられた島で、変な人たちがそれぞれに、自分の大切なものを大切にしながら暮らしている。
そこへ連れてこられた主人公が遭遇するカカシ殺人事件!
事件の謎を追っているような、変な人たちの暮らしをのぞきながら島の散策をしているだけのような、何気ないことの一つ一つがつながっていき、そしていつの間にやら事の真相にたどりつく。
話全体がカオス理論。というかカオス。
全てはカカシだけが知っている。


でてくる人たちがみんな変な人で、妙に愛着の湧く人物ばかり。
これはほんとにすごいことだな、と読み終わった後でふと思ったよ。
個人的にはさくらさんがお気に入り。
「…理由になっていない」
カッコヨス(゚∀゚)!!