空色パンデミック Short Stories

今年76冊目。

空色パンデミック Short Stories (ファミ通文庫)

空色パンデミック Short Stories (ファミ通文庫)

「私たち離れ離れになっても友達だよね……?」
「うん……友達だよ!」
二人の様子を見つめていた学生らしき女の人たちが目に涙を浮かべていたけど、セーフガードの掲げる「空想病発作中」のイエローボードに気付き、恥ずかしそうに顔を背けていた。
心中お察しいたします。
(p.55)
「駄目です!国道20号、封鎖できません!」
「できないじゃない!やるんだ!空想の完結までは体を張ってでも、研究所周辺の国道20号を死守しろと現場に伝えるんだ!」
(pp.182-183)
「あなたが今もビッグ・コマンダーの影を追っていると知ったから、しつこい雌猫にお仕置きしてあげようと思ったのよ。ああ、あんたも一応カラスだっけ。じゃあ、しょうがないから雌カラスに昇格させてあげる」
結衣さんが僕を睨んだ。その瞳は激情で燃えている。
――あっれー?なんか話が全く違くない?本当にこんな展開でいいの?ていうかこれ何のメロドラマ?
(p.198)

どこかで見聞きしたような話のパロディが連発して、ますますはっちゃける空想と、いつにも増してヒキまくる景君のギャップが面白い。
メインの4人+メアリーがそれぞれの面白いところを余すところなく発揮してくれてる感じ。
もっとも、面白さと比例して景君の大変さも増していくんだけどね。心中お察しいたします。