スキップ 読了

今年22冊目。

スキップ (新潮文庫)

スキップ (新潮文庫)

有川浩ばりの強くてまっすぐな女性主人公。
というと、時系列からして北村先生ファンに怒られそうだ。
有川先生のそれよりもソフトな印象を受けるのは筆者が異性であるゆえか、それとも年齢的なものによるのか。


日頃の心構えが全く感じられず「こいつは10年経っても管理職にはなれないな」と思わされる人物がいるのと同様に、強い意志さえあればわずかな時間でも大きく成長する人物もまたいるだろう。
17歳から突如42歳へスキップしてしまった主人公が、家族のサポートを得ながらとはいえ教員として体裁を保つことが出来た。
そのことは彼女の強い意志に依るところが大であることは間違いない。
自分の置かれた境遇を嘆く想いと、彼女を支える強い想いとの間で揺れ動くストーリー。
そんな彼女のPoint of No Returnはやっぱり
「愛してちょうだい。好きになってちょうだい。ありがとうというわ。でも、でも――手をつなぐことは出来ない」
でしょうか?
このセリフを発するに至った彼女はもう、17歳には戻れない気がした。
そういう彼女にこそ
「昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが、わたしには今がある」
というセリフがよく似合う。


きれいに終わったけど、個人的にはエピローグの池ちゃんの部分は余計だったかな、と思う。