プラビックス錠添付文書改訂

経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される安定狭心症、陳旧性心筋梗塞を適応追加。
PCI施行前にクロピドグレル75mgを少なくとも4日間投与されている場合、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)は必須ではない。
その他の副作用として浮腫(0.1〜5%未満)、眼充血、しびれ、心電図異常、頻脈、咳(以上、0.1%未満)を追記。

臨床成績
経皮的冠動脈形成術が適用される安定狭心症/陳旧性心筋梗塞患者を対象に、アスピリン81〜100mg/日を基礎薬とし、クロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして初回量300mg、維持量75mg/日)についてチクロピジン塩酸塩200mg/日を対照薬として行われた二重盲検比較試験(931例)において12週目までの主要心イベント(全ての死亡、急性心筋梗塞、血行再建術の施行、ステント血栓症)の累積発現率を解析したところ、チクロピジン塩酸塩9.7%(発現割合:45/465例)に対し本剤9.0%(発現割合:43/466例)で、有意な差は認められなかった(stratified log‐rank test※:p=0.7899、ハザード比0.945[両側95%信頼区間:0.622,1.436])。また、主要心・脳血管イベント(全ての死亡、急性心筋梗塞、血行再建術の施行、ステント血栓症脳卒中)の累積発現率も同様に、チクロピジン塩酸塩10.4%(発現割合:48/465例)に対し本剤9.0%(発現割合:43/466例)で有意差を認めず(stratified log‐rank test※:p=0.5611、ハザード比0.886[両側95%信頼区間:0.587,1.337])、本剤の有効性はチクロピジン塩酸塩と同程度であることが示唆された。一方、副作用発現割合は、チクロピジン塩酸塩39.8%(199/500例)に対し本剤20.2%(101/499例)と本剤で低かった。また、重大な出血、血液障害、肝機能障害及び投与中止に至った副作用を複合した指標の12週目までの累積発現率は、チクロピジン塩酸塩30.9%(発現割合:159/465例)に対し本剤が8.9%(発現割合:47/466例)であり、本剤が有意に低かった(stratified log‐rank test※:p<0.0001、ハザード比0.259[両側95%信頼区間:0.187,0.359])。出血性イベントの12週目までの累積発現率は本剤1.3%(発現割合:6/466例)、チクロピジン塩酸塩0.9%(発現割合:4/465例)で有意な差は認められなかった(stratified log‐rank test※:p=0.5292、ハザード比1.497[両側95%信頼区間:0.422,5.306])20)。
※:アスピリンの前治療状況を因子としたstratified log‐rank test