ジーンワルツ読了

今年62冊目。

ジーン・ワルツ

ジーン・ワルツ

終盤の怒涛の展開はさすがだけど、ちと発想が子供じみてるというか、中学生の頃の自分に似たものを感じます。
今作の主題は婦人科医療と代理母出産なんだけど、海堂さんの作品はテーマが前面に来すぎると、少し食傷気味になる。
これはやはり本業がドクターだけあって理系の文章なんだよね。
これとは逆に文系の文章なのが昨日読み終わった博士の愛した数式
数式の美しさを語るシーンが何度も出てくるけど、イマイチその美しさは伝わってこないんだよね。
物語自体も淡々と進むんだけど、そこには日常と、博士の非現実的設定がドロドロに溶け込んでいて、アンリアルなのに親しみを感じる。
ジーンの方はリアルすぎて、それがかえって現実感を遠ざけてしまう感じがするのよね。
文章ってのは不思議だなぁ。