プログラフ添付文書改訂*7

難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症〜重症に限る)を適応追加。
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与する。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10〜15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する。投与開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5〜10ng/mLとし投与量を調節する。
治療初期は頻回に血中トラフ濃度を測定し投与量を調節するため、入院又はそれに準じた管理の下で投与することが望ましい。
1日あたりの投与量の上限を0.3mg/kgとし、特に次の点に注意して用量を調節すること。

(1) 初回投与から2週間まで
・初回投与後12時間及び24時間の血中トラフ濃度に基づき、1回目の用量調節を実施する。
・1回目の用量調節後少なくとも2日以上経過後に測定された2点の血中トラフ濃度に基づき、2回目の用量調節を実施する。
・2回目の用量調節から1.5日以上経過後に測定された1点の血中トラフ濃度に基づき、2週時(3回目)の用量調節を実施する。
(2) 2週以降
・投与開始後2週時(3回目)の用量調節から1週間程度後に血中トラフ濃度を測定し、用量調節を実施する。また、投与開始4週以降は4週間に1回を目安とし、定期的に血中トラフ濃度を測定することが望ましい。
(3) 用量調節にあたっては服薬時の食事条件(食後投与/空腹時投与)が同じ血中トラフ濃度を用いる。

潰瘍性大腸炎への投与にあたってはカプセル剤のみを用い、0.5mg刻みの投与量を決定すること。
潰瘍性大腸炎では、2週間投与しても臨床症状の改善が認められない場合は、投与を中止すること。
潰瘍性大腸炎では、通常、3カ月までの投与とすること。
潰瘍性大腸炎では、治療指針等を参考に、難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)であることを確認すること。
潰瘍性大腸炎では、本剤による維持療法の有効性及び安全性は確立していない。
潰瘍性大腸炎における本剤の投与は、潰瘍性大腸炎の治療法に十分精通している医師のもとで行うこと。


本剤を最長3カ月間投与した潰瘍性大腸炎患者137例(カプセル137例)での主な副作用・臨床検査値異常は、振戦29.2%(40/137)、低マグネシウム血症16.8%(23/137)、ほてり、尿中NAG増加各13.9%(19/137)、感覚異常12.4%(17/137)、尿蛋白8.0%(11/137)、高血糖7.3%(10/137)、悪心6.6%(9/137)であった。(効能・効果追加時:2009年7月)


成人潰瘍性大腸炎患者におけるトラフ濃度を用いた母集団薬物動態解析から、本剤を食後投与時の経口吸収性は、平均的に絶食下服薬時の62%と推定された。


重症の難治性潰瘍性大腸炎患者に、本剤を2週間投与した第III相試験非盲検試験における改善率(DAIスコアによる改善度)は45.5%(5/11例)であった。両試験とも用量は1回0.025mg/kg1日2回を初回用量とし、その後目標トラフ濃度(10〜15ng/mL)となるよう用量調節した。
また、第III相試験比較試験のタクロリムス群患者及び重症の難治性潰瘍性大腸炎患者に、2週以降の目標トラフ濃度を5〜10ng/mLとして本剤を最長12週間投与した結果、最終投与時における改善率(DAIスコアによる改善度)は、それぞれ61.9%(13/21例)及び66.7%(6/9例)であった。


本剤はマウス炎症性腸疾患モデルにおいて、大腸粘膜の活性化T細胞からのインターフェロンγの産生を抑制し、大腸炎病態を軽減する。