JUPITER

会社から家まで急いで帰り、前もって呼んでおいたタクシーでNHK放送センターへ急行。
今日はAZ社のお弁当会っす。
先日のAHAで発表されたJUPITERの報告を基にした積極的LDL低下療法について。
いわく、心疾患/脳卒中の初発イベント発生率はLDL−Cとhs−CRPがそれぞれ独立したリスク因子になっており、たとえLDL−C値が基準値以下であってもhs−CRPが高値である患者に対してはクレストールをはじめとしたストロングスタチンでがっつりLDLを下げる*1ことで狭心症心筋梗塞脳卒中、総死亡率のいずれのリスクも半減させることができるというもの。
hs−CRPはHT、DM、喫煙、飲酒などがあると上昇しやすいため、これらの因子を有する患者に対しては基準値以下まで積極的にLDL−C値を下げていくことを前向きに検討してもよさそうだということ。
また演者の先生は、今回の試験よりLDL−C値はthe lower, the betterであり、レギュラースタチンを用いる必要性は認められなくなったとまで言いきっていた。
薬価としてはレギュラースタチンもストロングスタチンも大差ないのだから、今後は原則として全員にストロングスタチンを用い、経済的に負担を軽くするためにストロングスタチンを減量して用いることはよいだろう*2ということだった。

*1:JUPITER試験ではクレストール1.9年投与でLDL−C値が110mg/dL→50mg/dLまで低下している。

*2:スタチンはいずれも、用量を倍にしてもLDL−C低下率は約6%しか変わらない。ちなみにメバロチン10mg/日では約20%、クレストール2.5mg/日では約40%のLDL−C低下が期待できる。