ネオーラル添付文書改訂*8

アトピー性皮膚炎(既存治療で十分な効果が得られない患者)の適応を追加。


警告
アトピー性皮膚炎における本剤の投与は、アトピー性皮膚炎の治療に精通している医師のもとで、患者又はその家族に有効性及び危険性を予め十分説明し、理解したことを確認した上で投与を開始すること。

効能・効果に関する使用上の注意
アトピー性皮膚炎患者については、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の既存治療で十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が体表面積の30%以上に及ぶ患者を対象にすること。


用法・用量
通常、成人にはシクロスポリンとして1日量3mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減するが1日量5mg/kgを超えないこと。


用法・用量に関する使用上の注意
アトピー性皮膚炎患者に投与する際には投与期間はできる限り短期間にとどめること。本剤の投与中は有効性及び安全性の評価を定期的に行うこと。8週間の投与でも改善がみられない場合には投与を中止すること。なお、1回の治療期間は12週間以内を目安とする。


重要な基本的注意
アトピー性皮膚炎患者においては、リンパ節腫脹を合併することがあるが、通常は自然に消失するか疾患の改善により消失する。患者の状態を定期的に観察し、本剤によってアトピー性皮膚炎が改善された後にリンパ節腫脹が持続している場合は、悪性リンパ腫の除外診断のため生検を実施することが望ましい。
アトピー性皮膚炎患者においては、活動性単純ヘルペス感染は、本剤投与前に治療しておくことが望ましい。また、本剤投与中に黄色ブドウ球菌による皮膚感染を合併した場合は、適切な抗菌剤によってコントロールすること。


本剤のアトピー性皮膚炎を対象とした国内臨床試験における副作用発現状況
アトピー性皮膚炎 国内臨床試験において、本剤を投与された205例中、何らかの副作用が報告されたのは123例(60.0%)で、主なものは毛包炎21例(10.2%)、血中トリグリセリド増加18例(8.8%)、血中ビリルビン増加18例(8.8%)、鼻咽頭炎11例(5.4%)等であった。(承認時までの集計)


薬効・薬理
本剤をアトピー性皮膚炎モデルマウス(NC/Ngaマウス)に経口投与した試験において、対照群に比べて皮膚炎スコアが有意な低値を示した。また、そう痒行動回数は対照群と比較すると本剤投与群で低値を示す傾向が認められた。病理組織学的検査では対照群と比較して表皮のびらん・潰瘍の病変程度が総じて軽度であった。