アタラックス添付文書改訂*8

禁忌の項目において『「本剤の成分」に対して過敏症の既往歴のある患者』から『「本剤の成分、セチリジン、ピペラジン誘導体、アミノフィリン、エチレンジアミン」に対して過敏症の既往歴のある患者』に記載が改められ、ポルフィリン症の患者、妊婦*1が禁忌に追加。


血中濃度半減期が延長する恐れがあるため慎重投与に高齢者、肝障害、腎障害が追記。
また、抗コリン作用により病状が悪化する可能性があるため、下記の患者が慎重投与に追記。

  • 緑内障患者
  • 前立腺肥大等下部尿路障害のある患者
  • 重症筋無力症患者
  • 認知症患者
  • 狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞等消化管運動が低下している患者
  • 不整脈を発現しやすい状態にある患者


相互作用の項にはCYP3A4/3A5で代謝されるため、それらを阻害する薬物(シメチジン他)との併用に注意するよう追記。


相互に作用を増強するためMAO阻害薬との併用注意。
相互に作用が拮抗するためベタヒスチン、抗コリンエステラーゼ剤(臭化ネオスチグミン等)等との併用注意。
併用により心室不整脈等の副作用が現れたとの報告があるため不整脈を引き起こすおそれのある薬剤(コハク酸シベンゾリン等)との併用注意。


その他の副作用に興奮、錯乱、不眠、傾眠、便秘、血圧降下、霧視、尿閉、発熱が追記。(いずれも頻度不明)


その他にも以下の事項が追記。

  • 授乳中の婦人には本剤投与中の授乳を避けさせること。*2
  • 本剤はアレルゲン反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査又は気道過敏性試験を実施する少なくとも5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。

*1:妊娠中の服用によって錐体外路障害、間代性運動、中枢神経抑制、新生児低酸素症などが認められたため。

*2:本剤がヒト母乳中に移行するかどうかは知られていないが、授乳中の新生児に中枢神経抑制、緊張低下があらわれたとの報告がある。