今日のお題:副腎シンチ

nohmin2006-02-16

えぇ朝の会ですとも。
ご飯食べてから調べて執筆。
毎回毎回8/31状態進歩なし。


女性  内科受診
処方)タミフル、PL、CAM、カロナール
併用薬)降圧剤、K製剤、ヨードアイソトープの注射
’05.11.〜副腎の検査を色々行っている。検査疲れからインフルエンザにまでかかってしまった。何やら大変な病気だそうでopeの必要もあるかも、とPt。次回副腎シンチ予定。


【副腎シンチグラフィー】
副腎皮質に集積する物質として、コレステロールまたはその誘導体をRIで標識して静脈内投与し、シンチカメラでその分布を検出する核医学画像検査。放射性医薬品としては、131I標識ヨウ化メチルノルコレステノール(アドステロール)が繁用されている。静注後7〜10日目に検査を実施する。クッシング症候群、コーン症候群(原発性アルドステロン症)の副腎皮質腺腫の局在診断に用いる。


【アルドステロン症】
* 病態
副腎皮質におけるアルドステロンの過剰産生によって発症する内分泌性高血圧症。アルドステロンは腎尿細管からNaを再吸収して循環血液量を増加し、KとHイオンの排泄を促進する。その結果として高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスを生じる。
病因としてアルドステロン産生腺腫が大部分を占めるが、10〜15%は副腎皮質の過形成が原因となる。
症状は高血圧による頭痛、低K血症による脱力感・筋力低下、多飲・多尿など。まれに四肢麻痺を伴う。
男女比は1:1.3とほとんど差がなく、発症年齢は35〜55歳に多い。


* 診断
高血圧を示す初診症例に対して、一次スクリーニングとして治療前の安静時に血漿アルドステロン濃度、血漿レニン活性または活性レニン濃度を測定する。
次に、アルドステロン/レニン比のみでは偽陽性があるので、二次スクリーニングとしてアルドステロン抑制試験により本症の確定診断を行う必要がある。経口食塩負荷試験でNaCl 10〜12 g/日食を3日間摂取後の24時間尿中アルドステロン>12 μg/日、または、立位フロセミ負荷試験により、フロセミド40mg静脈投与して120分後の血漿レニン活性<1 ng/ml/hrまたは活性レニン濃度<3 pg/mlの時に本症と診断する。
 本症の診断が確定した後は局在診断が重要となる。副腎CTスキャンMRIなどにより解剖学的に腫瘍を検索し、131I-アドステロールシンチグラムや副腎静脈サンプリング(AVS)により局在診断を行う。判定には、左右の副腎静脈および下大静脈(副腎静脈合流前)において、アルドステロン、コルチゾールを採血し、アルドステロン/コルチゾール比を計算して3カ所を比較し、左右比が4倍以上、あるいは副腎静脈低値側が下大静脈より低値の時に片側病変と判定可能である。


* 治療
(1)外科学的治療
 片側病変の時は外科的に腹腔鏡下副腎摘出術を施行する。一方、両側病変の時は特発性アルドステロン症と診断し、薬物療法となる。
(2)薬物療法
 特発性アルドステロン症、糖質コルチコイド反応性アルドステロン症または手術不能症例では薬物療法を施行する。処方としては、アルドステロン受容体拮抗薬のスピロノラクトン(アルダクトン)50-150 mg/日、分3を投与する。降圧が不十分の時は、カルシウム拮抗薬のアムロジピン(ノルバスク)5 mg/日 分1などを併用する。


* 予後
片側病変であるアルドステロン産生腺腫では腺腫摘出術後に高アルドステロン血症は是正され、ほとんどの症例で血圧は改善するが、約30%の症例では血圧が正常化しない。これは、手術までの罹病期間や本態性高血圧の合併などが想定されている。高アルドステロン血症は脳血管疾患や心肥大などの危険因子であることから、早期の診断および治療が重要である。