避妊

まだまだ薬局8月号。
今月の「女性の健康支援」は避妊について。

  • ピルを飲み忘れたときの対処法

24時間以内の飲み忘れ→気付いた時点で飲み忘れた分をすぐ服用。次回以降の分は通常通りに服用。
24時間以上飲み忘れたとき→月経周期1〜2週目で2回分のみ忘れた場合、気付いた時点ですぐ2錠服用、翌日もまた2錠服用し、その次からは通常通り服用し、1週間は他の避妊法を併用する。なお、月経3週目、またはどの期間であれ3回分飲み忘れた場合はその回の避妊は失敗。新しく1錠目から服用しなおす。

  • ピルの副作用

最もよく現れるのが不正出血。
その他には悪心、頭痛、下痢、乳房緊満感、倦怠、抑うつ、にきび、体重増加など。
いずれも服用を継続するうちに次第に減少するとのこと。
また、片側の下肢(とくにふくらはぎ)の激しい痛みや腫れ、急な腹痛、胸痛、頭痛、目のかすみなどがあった場合は早めに受診すること。

  • ピルの副効用

月経困難症や月経不順、月経過多が3〜6割減少する。
2年の服用で子宮体癌のリスクが40%低下、4年の服用で卵巣癌のリスクが30%低下する。

  • 喫煙とピル

年齢と喫煙量が上昇するにしたがって血栓症のリスクが増大するため、35歳以上で1日15本以上喫煙する輩は禁煙すべき。

  • 飲酒とピル

飲酒による避妊効果への影響はない。ただし飲みすぎによる嘔吐は避妊効果を減弱する。

  • ピルと催奇形性

妊娠に気付かずにピルを服用しても催奇形性のリスクは上昇しない。

  • 緊急避妊法

国内では緊急避妊薬(ECP:Emergency Contraceptive Pills)として承認された薬剤は存在しないため、既存の薬剤を用いてECPとする。
エチニルエストラジオール50μgとノルゲストレル0.5mgを含有する中用量ピル*1を性交後72時間以内*2に2錠服用し、その12時間後にさらに2錠服用する。
妊娠回避率は75%で、治療効果はECP服用後の月経発来で確認する。
副作用として悪心(50%)、嘔吐(20%)があるが、半日程度で消失する。
また、72時間を経過してしまっても120時間以内であれば、やらないよりはマシ程度の効果はある。

*1:ドオルトンなど

*2:服用が早いほど効果が高い