イレッサ添付文書改訂*11

厚生労働省主催によるゲフィチニブ検討会の結果*1を受けて、本剤の使用に際して日本肺癌学会が作成した「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン*2」等の最新情報を参考に行う旨を追記。
海外で行われたISEL試験の生存期間に関する結果*3を追記。
薬剤師としてはガイドライン中の「投与中の注意点1.及び2.」すなわち、

間質性肺炎の初期症状である「発熱、乾燥咳嗽、息切れ、呼吸困難等」の意味を患者に説明し、もしそれらを自覚した場合は直ちに担当医師を受診するよう指導しておくこと。

に気をつけるべきであるが、これを行うためには「イレッサ処方=癌告知済み」という暗黙の了解が必要となり、各店舗の内規次第では指導の徹底が図れないケースも出てくるだろう。
また、厚生労働省の資料の中では「イレッサの使用における今後のあるべき方向」という意見書が興味深いので、ざっと読んでみることをお勧めします。

*1:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0310-3.html

*2:http://www.haigan.gr.jp/gefiti-gaid.pdf

*3:IRESSA Survival Evaluation in Lung Cancer:先日新聞等で大々的に報道された「海外ではイレッサによる生存期間延長効果は認められなかった」という報告。ただし、これとは別に東洋人342例を対象にした解析ではプラセボに対し、生存期間9.5VS5.5ヶ月と、ゲフィチニブによる生存期間延長が報告されている。詳しくはイレッサ公式HP医療関係者のページにて。