卒後講座

本日M大学の卒後講座。
たぼんやたまこの出産、育児でここ数年ご無沙汰してたのでなんだか久しぶりな感じ。
その間に名物ベンゼン池が復活していたようで、めでたいことです。


1コマ目は「室内環境化学物質のトキシコロジーとレギュラトリーサイエンス」
空気中の化学物質に関する毒性学、ってとこですね。
タンスに○ンなどの防虫剤に含まれるナフタレンとか、蚊取り線香などが低温燃焼した時に生じるベンゼンとか、その他にも柔軟剤やらミントフレーバーやらハウスダストやら。
ある物質の危険性が報告されて規制すれば新しい物質が使われて。
その新しい物質が普及してきて調査してみれば新たな危険性が報告されて。
まさにイタチごっこ状態なのだそうです。
「仕方がない」で済ませてはいけないけれど、仕方がないよなぁ。
それでもそうしたことを研究して、少しでも安全性の高い環境を追及してくれている人たちがいるということですね。


2コマ目は「薬学の世界でも役に立つ総合診療的アプローチ」
TVにも出ている某有名総合診療科医の先生の講演。
本人が初めに言っていた通り脱線しすぎて、演題に期待したほどの中身はなかった気がする。
ただ話自体は面白くはあったけど。
一番頭に残ったのは「総合診療はニーズ主義」といったフレーズ。
医療面接時に重視する3原則は「Common Critical Curable」だとか、open end questionだけではだめで、促進・絞り込み・まとめを意識したclosed questionも織り交ぜないと効率が悪いといった演題に即した話は、普段の仕事でも半ば無意識にやってる気がする。
医療のフリーアクセスがダメだとか在宅医療推進とか負の連鎖しか生まないから20年後には在宅ブームは終わってるとかの持論も展開されてましたが、当然のごとくこれらは医師会のお偉いさんから激烈に糾弾されてるそうで。そりゃそうだろうけれど、これについては医師会は既得権益がゲフンゲフン。