20 ★★★☆☆

今年85冊目。

20 (実業之日本社文庫)

20 (実業之日本社文庫)

シーズン最終戦、初先発のルーキーがノーヒットノーラン継続のまま9回表。
ここからの20球だけで話が展開する1冊。
ノーヒットノーランとはいえ四球もエラーもデッドボールもボークも乱闘もあるという「史上最低のノーヒットノーラン(p.60)」で、作中何人もの登場人物が「遅延行為ととられかねない」投げ渋り。
ノーヒットノーラン進行中の終盤の張り詰めた空気が充満しているのだけど、同時に、早く進行してほしいというみんなのイライラは読んでる側にもこれでもかと伝わってくる。
この緊張感を維持したまま最後まで書ききってしまう堂場さんはやっぱりすごい。


ちなみに「焔」の沢崎&神宮寺や「ラストダンス」の樋口&真田など過去の堂場さん野球小説の登場人物もガシガシ出てて、同窓会みたいな雰囲気も楽しめます。