魔性の子

今年106冊目。

魔性の子 (新潮文庫)

魔性の子 (新潮文庫)

ホラー小説テイストなのにちゃんと十二国記してる!
現代社会が舞台なのにちゃんと十二国記してる!
これはすごいなぁ。
と、言うんだけど、こっちが十二国記よりも先らしいんだよね。
十二国記を先に二話分だけ読んでしまったオイラはなんとなく背景が見えてしまうので、ホラーとしての怖さが薄れてしまった。
それがなければラストの広瀬の孤独感が更に際立ったんだと思うと、読む順番ってやっぱり大事だなぁ。

ここから逃げればどこかに居心地のいい世界があるんだと思ってる。誰もが自分を理解してくれる、自分のために都合のいい世界が。(p.323)
広瀬と高里は違う、と後藤は言った。広瀬も漠然とそれを認めていた。それでも――この世の者とこの世のものでない者と。こんなに深い差異があるとは思わなかった。(p.426)


★★★★☆