ちんぷんかん

今年103冊目。

ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6 (新潮文庫)

ちんぷんかん しゃばけシリーズ 6 (新潮文庫)

若旦那は虚弱だ。極め付きだ。冥土でもそれは際だっており、ここまで弱くてまだ死んでいなかったのかと、呆れた鬼がいたくらいだ。(p.64)

若旦那の病弱伝説はとうとう冥界にまで及びましたよ!
冥界にまで行ってもやっぱりまだ病弱なままの若旦那が哀れすぐる(;'∀')


しゃばけシリーズ第6弾は短編×5本。
若旦那が三途の川まで行ってしまったお話を描く「鬼と小鬼」
リアルの縁談がうまくいかないからって二次元に逃避しようとする腐女子とその父親が出てくる「ちんぷんかん」
若旦那の母おたえが父藤兵衛と結ばれるきっかけとなった事件「男ぶり」
若旦那の兄松之助の縁談の背後にうごめく陰陽師の狙いとは!?「今昔」
長崎屋に植えられた桜の花びらの精、小紅を通して人との別れを描く「はるがいくよ」


長崎屋が火事で焼け落ちてしまう事件と、松之助兄さんの縁談が1冊を通した軸になっています。
特に「鬼と小鬼」「今昔」「はるがいくよ」では人の命や別れについてが扱われているのですが、そんなテーマでも重苦しくならずに、いつものしゃばけ感のまま軽妙に描かれているのはさすがの若旦那節でしょうか。


★★★★☆