西の善き魔女V 銀の鳥 プラチナの鳥

今年101冊目。

「あなたが、がらの悪い異国の傭兵といっしょに王家の私殿に現れたときに、はっきりわかったの。わたくしにこんなことはできない、メニエール猊下にもおできにならないって」
「あなたは前に、女王家はカッコウの娘だと言っていたでしょう。コンスタンス陛下がそうおっしゃったと。たぶん、そのとおりなのだわ。そうあるべくして、女王家直系の人は近親をもたないような機構ができているのよ。何ももたないように……だから、だれもかれもが手をさしのべずにはいられないように。敵対者でさえ思わず協力してしまうような、そういう人物が生まれてくるように」
(p.252)

これだ!アデイルが持っている女王たる資質、それは即ち「主人公力」!
ONE PIECEのルフィもドラゴンボールの悟空も持っているあの力だよ!
今回のお話はフィリエルが出てこない番外編。
主役が出てこなくても雰囲気を壊さずにお話が成立しているのは萩原さんの中でしっかり世界が出来上がっているからだとばかり思っていたのだけれども、実はアデイルこそが主人公だったからお話に違和感がないのだと。
なるほどなー。