玻璃の天

今年70冊目。

玻璃の天 (文春文庫)

玻璃の天 (文春文庫)

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。

シリーズ2作目なので1作目「街の灯」から続いている設定もありつつ、本巻3話を通じて流れる熊さんのお話がありつつ。
2話目の謎解き、資料なしでできる人って今の日本にどれくらいいるのでしょうか。これって当時の上流階級では当然の基礎教養なんでしょうか。
前巻と比べて英子さんの比重が若干増しているし、ノブリス・オブリージュがきちんとできているような描写もあったし、一流のご息女に相応しいできる子だなぁ。
そんな英子さんの成長もあり、あくまでもそっとヒントを出す立場に徹するベッキーさんとのバランスがいい感じになってます。
このベッキーさんシリーズ、もう1冊続くらしいのですが我が家の妻ちゃん文庫には今のところここまでしかありませぬ。きっとそのうち入手されるよね。うむ。