スペース
今年61冊目。
- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/05/05
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (50件) を見る
「空って漢字は<から>とも読めるでしょ?英語で<宇宙>を表す言葉が、同時に<余白>とか<空間>を表すなんて、面白いと思わない?」(p.67)
確かに面白い。
漆黒の宇宙空間は現在でこそ空気もないだだっぴろい空間であることが分かっているが、<space>という英単語ができた当時は宇宙空間とは星の光がたくさん散りばめられた世界の天井だったのではないだろうか?
それがどうして<余白>と同じ単語が当てられたのだろう。
案外<space>って単語は新しいんだろうか。
本編とは直接関係のないそんなやりとりが妙に気になってしまった駒子シリーズ第3段は、第2の駒ちゃんが主役。
別々の駒ちゃんから見ると同一人物の印象でも大きく変わる。
同じ空間でも別の人間から見るとその意味合いが大きく変わる。
「人間にはあるべき場所があって、そこにいるのが正しいんじゃないか」ってセリフはモラトリアムの大学生らしいセリフだなぁって思う。
どんなところにいたって、そこに自分の<space>を創りだせるかどうかってのはその人次第じゃないかなって思う。
あの有名なアニメでも言ってたよね。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」って。
そうして逃げずに勇気を出して踏み出した駒ちゃんだからこそ、自分の居場所を見つけられたんだろうな。