薬局 4月号
薬関係19冊目。
- 出版社/メーカー: 南山堂
- 発売日: 2013/03/30
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (2件) を見る
別に妻ちゃんマル向飲んだりはしてないけど、乳汁移行性とか考える特集は我が家的にタイムリー。
- 妊娠末期にSSRIを服用すると出生後の新生児に離脱症状*1を発症することが多いが、自然経過で軽快し、2〜6歳児予後において認知能力や発達スコアへの影響はないとされるため、NASを理由に妊婦へのSSRIを中止することは危険であるとされる。
- オピオイド系NASにおいては、突然の断薬を予防するためにも経母乳的に移行する少量の薬による母乳栄養が有効とする報告や、母児同室による新生児ケアの方がNICUでの母児分離環境よりもNASが短期間となる報告もある。
- 奇形リスクを考えるときはall or nothingではなく、まずベースラインリスクがあるということを踏まえる必要がある。その上で、ある奇形の発生リスクが「5倍になる」という説明であれば「1/1000が5/1000になる」と絶対危険度で話をすると受け取られ方が変わったりする場合もある。
- SSRI、SNRI、NaSSA、三環系・四環系、Li、BZD等による奇形発生、長期予後、乳汁移行への影響はほとんどないと考えられている。定型・非定形抗精神病薬も奇形発生についてはほとんど影響がないようであるが、乳汁移行については各薬剤ごとに様々であり、注意を要するものもある。
- 抗てんかん薬では乳汁移行についてはほとんど影響がないと考えられているが、バルプロ酸やカルバマゼピンによる先天性奇形の発生率上昇は確実。ラモトリギンなど奇形リスクが低いとされるものもあり、経過や妊娠の状態を勘案して薬物治療の継続/変更/中止を適宜判断していくことになる。