アミティーザ勉強会

厚労省疫学調査によると慢性便秘症の患者は10代から女性の方が多く、加齢とともに増加するが、男性も60歳を超えたあたりから加齢とともに増えてくる

慢性便秘症の効能を有する世界初のクロライドチャネルアクティベーター
小腸粘膜上皮細胞におけるクロライドチャネルを活性化することで腸管内への水分分泌を促し、便を軟らかくして排便を促進する
中鎖脂肪酸に主薬が溶かしこんである軟カプセル製剤
潰瘍や閉塞など器質性便秘には使用しないこと
薬剤性及び症候性の便秘に対する有効性の確立されていないが、現在データをとっている
2C/2×朝夕食後、症状に応じて適宜減量または休薬または中止
透析患者は1C/1×から投与開始
服用後24時間以内に58%の患者で自発排便が認められた
即効性がある薬剤ではない。基本的には毎日続けて服用する
アミティーザ単独1〜4週投与によって、1週間あたり排便回数が1.6回から4.4回へ増加した
ブリストル便状評価スケールで4に近い正常便(既存の腸刺激性薬剤では水溶便になりやすい)での排便となるが、個人差は大きい
48週連続投与による薬効減弱は認められていない
主な副作用は下痢(30%)、悪心(23%)等。悪心は食後服用で改善する。いずれも軽度。口渇は0.6%で脱水の心配は少ない
アミティーザは腸管内でクロライドチャネルを活性化すると同時に活性代謝物M3に代謝され、血中に移行するのはM3のみ
服用後6時間するとM3の血中濃度がほぼ消失する。tmax、t1/2≒2hr
尿中へ62%、便中へ32%、残りは汗等へ排泄され、蓄積性はない
食後投与と空腹時投与ではtmax、Cmaxは影響を受けるがAUCには影響しない。また局所作用であり、tmaxやCmaxの変動は効果に影響しない。
モルモットで胎児喪失が認められているため妊婦禁忌。ただしこれは50μg/kgの大量投与での報告であり、アメリカでは妊婦禁忌が削除になった。また、体内からの消失が早いため服用から2日あければ妊娠OK
乳汁中への移行が報告されているため授乳婦禁忌
小児に対する有効性は現在調査中
難治性の便秘患者に使用する場合は、これまでの薬剤から切り替えてアミティーザ単剤使用とすると効果不十分となりがちであるため、これまで使用していた薬剤に上乗せするのがよい