万能鑑定士Qの事件簿2

今年129冊目。

『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽礼が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凛田莉子の鑑定がある!パーフェクトな偽礼の謎を暴き、未曾有の危機から国家を救うことができるのか!?書き下ろし「Qシリーズ」第2弾。

超・記憶術とでもいうべき方法で吸収しまくった知識を活用して真実に迫る莉子さん。
思いつきと勢いだけで突き進む小笠原。
よくある探偵モノだとズッコケ役の小笠原が何気に言ったりやったりしたことがヒントになって探偵役が閃いたりするんだけど、この巻では二人基本的に別行動なのでそういうことはなく。小笠原マジでズッコケオンリーやんけ(´Д`;)
莉子さんの方も解決編をはじめとして超人的な閃きをみせつけるのだけれども、最終的に謎解きにつながるとはいえ、失敗や空振りが続いて自信喪失する探偵役というのはなんだか新鮮に感じた。
題材となる円の価値消滅によるハイパーインフレというのは、本当に起こり得そうなリアリティがあって貨幣経済のもろさ、恐ろしさを感じさせられた。こんなことになったらほんとに何年地道に貯蓄してても全部パーだもんな…恐ろしい。