長安異神伝2

nohmin2012-10-22

今年111冊目。

女の眸の中を、絶望とあきらめがはしりぬけたのを、二郎は見なかった。いや、知っていたかもしれないが、さりとてどうできるというのだろう。
階を降りたときには、翠心の白い姿はもうどこにもない。
ちいさく舌うちをして、花のあいだに踏みいっていく二郎の広い背を、巧雲はだまって見つめていた。
その瞳が、花とおなじ色に染まっていくのを、止められるものはどこにもなかった。
(p.258)

謀略飛び交う1巻とはうってかわって2巻は色恋沙汰に絡めたアクション活劇。
千年以上生きてる神様に「どこの高校生だよ!」って突っ込みたくなるような、こんな純愛させますか。
半神半人の♂と半人半神器の♀ならではのお悩みというのも一応は描かれてるんだけどね。