エースの系譜 読了

今年63冊目。

エースの系譜

エースの系譜

正直言います。ジャケ買いです。絶望した!
中身は野球部のない高校に野球同好会を作ってから10年、県大会で甲子園出場を争うようになるまでの歴代エースと野球部顧問との物語。野球豆知識を挟みながら、顧問が歴代エースを育て、甲子園出場に挑む姿を描く。
エース以外の描写を思い切って省き、まさにタイトル通り歴代のエースピッチャー達の系譜を扱っている。
それによってエース育成に関わる10年間のつながりを感じやすくしているんだろうけれども、やっぱり野球はエースピッチャーだけでするものではないので、どうにもしらけてしまう部分が出てくる。
どうせなら1冊ではなく1年1冊、10冊くらいの続きものにして、それぞれのチームをもっと掘り下げて描いていただいた方がよかったのではないだろうか。まぁそれだとその辺にありふれた野球モノに成り下がってしまうので、これはこれでありなんだろうか。ぶっちゃけよく分からん。
ラストの決着だけは予想外の展開となったけれども、それとてやっぱりチームへの感情移入が薄かったので涙するほどではなく。
うむ…なんともまとまらない。


ところでオイラには野球の試合で生涯忘れないであろう鮮烈なイメージを残されているゲームが2試合ある。
一つは2007年日本シリーズ終戦、落合中日ドラゴンズが日本一を決めた試合。
8回終了までパーフェクトピッチングを繰り広げた山井を9回に岩瀬にスイッチしたあの試合。
舞台裏では色々あったとされているし、事実当人達も凄まじい葛藤があったことだろう。
53年ぶりの日本一が目の前に迫った状況で、ファンとしてもパーフェクトは見たい、でも日本一も見たい!と悶々とさせられた。
だがこの継投があったからこそ、単純に山井がパーフェクトで日本一を決めるよりも一層印象に残ったのかもしれない。
もう一つは1998年甲子園準々決勝の横浜VSPL。*1
松坂大輔ノーヒットノーランで決勝戦を〆た、あの年だ。
9回を終了して5−5で延長突入、その後11回、16回と横浜が勝ち越すが、その都度PLが驚異の粘りで追いつく。
17回に3たび横浜が勝ち越し、その裏のPLの攻撃を三者凡退で抑えた松坂はなんと17回、250球を完投。
学校祭の準備に忙しい夏、職員室のTVで、そして生徒会室のラジオでT嶋氏とともにこの熱い試合に釘付けになったことは一生忘れないだろう。


あれ?やっぱりピッチャー中心の記憶になってる…。
オイラには「エースの系譜」を批判する資格はないようですよ。


上記の2試合とは全然意味合いが違うが、山本昌が2006年に達成したノーヒットノーランも忘れません。
試合の内容はほとんど覚えてないんだけど、9/16、オイラの誕生日に昌がくれたプレゼントだという記憶が植えつけられています。


スポーツ違いでサッカーでは、ありていですがジョホールバルの歓喜マイアミの奇跡も一生忘れないでしょう。
特にジョホールバル、あれは上記の野球2試合に匹敵する凄まじい試合だったな…。

*1:この試合だけで一冊、本まで出ている。

ドキュメント横浜vs.PL学園 (朝日文庫)

ドキュメント横浜vs.PL学園 (朝日文庫)