メマリーお弁当会

震災により安定供給が難しくなったため発売延期になったメマリー。
お勉強会だけは予定通り実施です…。

メマリーはNMDA受容体拮抗作用による、新規作用機序アルツハイマー認知症治療剤。
アルツハイマー認知症時にはシナプス間隙のグルタミン酸濃度が持続的に上昇することでNMDA受容体活性化状態が維持される。これによって細胞内へCa2+濃度が過剰に流入し、神経細胞が障害される。またCa2+の持続的流入によるシナプティックノイズが記憶を形成する神経伝達シグナルを隠してしまうため、記憶・学習機能が障害される。
メマリーはNMDA受容体拮抗作用により神経内へのCa2+過剰流入を抑制し、神経細胞を保護、シナプティックノイズを抑制する。一方、シナプティックノイズ抑制状態でも記憶を形成する一過性の高濃度グルタミン酸が遊離されるとNMDA受容体から速やかに解離する為、神経伝達シグナルが伝わり記憶・学習機能障害を抑制する。
メマリーは単独24週投与により認知機能障害の進行を抑制し、特に言語、注意、実行および視空間能力などの悪化を抑制する。同様に攻撃性、行動障害などのBPSD、食器の片付けや日常会話などのADLの悪化を抑制する。
アリセプトへの追加投与においても同様に効果を発揮する。
アリセプトへの追加投与により介護依存度スコアの悪化を有意に抑制する。
適応は「中等度以上のアルツハイマー認知症」であり、アリセプト3mgとの併用を行った時の保険上の取扱いについては不明。専門医の間では認知症で受診したときには何らかの症状が出てしまっていることが大半であり、既に中等症以上なのだからよいのではないかとの意見もあるが…?
通常5mg→10mg→15mg→20mgと1週間ずつ増量する。1週間を超える低用量投与には念のためコメントを付して保険請求した方がよいかも。CrCL<30mL/minではMAX10mgで維持量とする。
メマリーは食前・食後を問わず投与可能で、1×であれば朝でも夕でも構わない。アリセプトと投与時刻をずらした方がよいかどうかについてはデータがないが、半減期50時間と長いため、いつ服用してもよいと思われる。
アリセプトと同時服用することでアリセプトの下痢や易興奮性のSEを相殺し、それぞれ単独投与するよりもSEによる服薬中止事例が減少する。
CYPによる代謝を受けないので相互作用が少ない。P-gpの影響も恐らく受けない。
ヒドロクロロチアジドの血中濃度を減少させる(機序不明)ので降圧剤の合剤服用患者等に注意。
ODPはnp。

メマリーの画像ファイルをぐーぐる先生でイメージ検索したら懐かしのDr.Kのブログ*1にヒット(゚∀゚)
また病院とブログが変わっていたけど、知る人が読めばすぐに彼だと分かる。
相変わらず、というより以前にもましてお元気なようです。