アンケートまでお医者「様」なんですね

医者ってのは全員でないにしろ無用にプライドが高くて唯我独尊的な部分がみられる職種だとは認識している。
しかしそれがアンケートにまで出てくるってのは面白いなっていう話。
上で文句をぶーたれている日経DIってのは日経「Drug Information」であって、薬を取り扱った薬剤師向けの雑誌。
これの医師版が日経メディカル。
その日経メディカルの今日付けのオンライン版*1に「多様化する“困った患者”の実態」っていうアンケートを基にした記事*2が出ている。
全体的にツッコミどころ満載の回答が出ているんだけど、中でも噴飯モノなのが以下の部分。

今回の調査では、それぞれの迷惑行為が日常診療に与える影響度と、医師が経験する頻度も調べた。その結果、「医師の治療方針に反論、従わない」などの自己中心的な態度による迷惑行為や、「金銭的理由による検査・治療の拒否」は、「(身体的な)暴力、言葉による恐喝、大声で騒ぐなどの粗暴な行為」より日常診療への影響度は小さいものの、経験頻度は高いことが分かった(Q3)。

「医師の治療方針に反論、従わない」って、あきらかにインフォームドコンセントが取れてないんじゃないの?
そこには目をつむって、懇切丁寧に説明しても、自分の思い通りにならないと全く聞く耳を持たずひたすらわめきたてる患者だとする。
実際にそういう人がいることも自分の経験から分かっている。
でもしかし、それでもその次の一文はいただけない。
なんでそういう行動が「自己中心的」と断罪されなければならないのか。
いつから患者の自己治療決定権は医師ごときに取り上げられたのか?
医師の治療方針にどうしても納得してもらえないのであれば、それは患者の意思として受け入れられないんだから「それならウチでは治療できません」という話。*3
自己中なんていう捉え方はそれこそ医師の自己中でしかない。
例えばユニクロに来た客が「こんな服着られるか」と言ったときに「なんて自己中な客だ!黙ってうちの店の服を買ってればいいんだ」なんていう店員はユニクロ全店回ったって一人もいないだろう。
どうしてこんな明らかなことにこの人たちは気がつかないんだろうか。

*1:http://medical.nikkeibp.co.jp/

*2:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t108/201009/516622.html(要ログイン)
  ちなみにこの記事、本誌連動らしいので書店に行って「日経メディカル」を立ち読みすれば会員登録しなくても中身が確かめられると思われます。

*3:もちろん治療を拒否すればどうなるかという話を含めてきちんと説明していることが大前提