薬局7月号 読了

今年51冊目。くさいの29冊目。
どうも年間100冊は無理くさいペースになってきた。
きっとW杯とかFEとかFFIVTAとかのせいだな(゚∀゚)

薬局 2010年 07月号 [雑誌]

薬局 2010年 07月号 [雑誌]

今月の特集は体内動態における薬物相互作用。
とっても興味深く読めた。
デプロメールとCYP1A2、パキシルとCYP2D6、イトリゾールとCYP3A4、ラミシールとCYP2D6、タバコとCYP1A2とメジャーどころから入っていって、果物ジュースとOATP、CAMとP-gp、有機カチオン性薬剤とMATE基質、とどんどんマニアックに。
最後のMATE基質ってのは初めて聞いたんだけど、multidrug and toxin extrusion(MATE)蛋白という水溶性低分子カチオン性薬物(I型有機カチオン)の腎臓内から尿中への排出輸送を担うプロトン/有機カチオン交換輸送担体の分子実体のことなんだそうで。
このMATEを臨床投与量で阻害しうる薬物としてタガメットが報告されており、MATE基質となるメデットとの相互作用について記事で触れられている。
ただ、この相互作用は局所反応であり血中濃度の比較では検出できないため、11Cなどで標識してPETなどで組織中濃度を測定することが必須となる。
これは「現在の医学(≠科学)では検出できない相互作用」と言い換えることもでき、それはすなわち薬物相互作用論の更なる発展の可能性を示しているとも思えた。
もちろんそうした発展がなされれば、より安全な薬物治療を行うことができるのであろうが、果たして我々薬剤師や医師の脳ミソがそうした知識量についていけるのであろうかという心配が先に立ってしまうのが悲しいところ…。